数年前から、「国内のアパレル製造業者数が減少し続け、産地が危機に陥っている」という趣旨の記事を目にすることが多くなりました。
こうした記事によれば、日本で販売されている衣料品の内、国産品は数量ベースで僅か3%程度。ニット製品になるとさらに低く、1~2%に過ぎないと。
価格を少しでも下げるために人件費の安いアジア諸国の工場で生産するという事は最早常識となっていますが、そうした潮流に流されず、クオリティを重視し、良いモノ作りにこだわるブランドも存在します。
筆者は春夏秋冬と一年中ニットアイテムを着ている自称「ニット愛好家」ですが、ここ2年程の間に購入したニットアイテムは全て同じブランドのモノ。
それが2016年の秋冬シーズンからスタートした国産ニットブランド「SLOANE(スローン)」です。
ベーシックながら「ワンランク上」の国産ニット
冒頭でも触れたように、SLOANEは日本のブランドであり、そしてニット専業ブランドです。
専業ブランドは一つの分野に特化するので、品質面で優れているということは容易に想像できると思いますが、SLOANEの製品はそれだけではありません。
まず、シンプルでベーシックなアイテムながら、他のブランドに無い上品さと見るからに上質であると分かる素材の良さを兼ね備えています。
正直、高級ブランドの何の特徴も無い無地のシンプルなニットが5万円とか10万円で売られているのを見ると、「いやいや、ユニクロのニットで十分でしょ」と思ってしまう事もありますが、SLOANEのニットには、シンプルながら「これは欲しい」と思わせる力があります。
また、着心地の良さも抜群です。ふんわりと体が包まれているような感覚で、不快感が全くありません。そしてユニークなのが、ユニセックスのアイテムが多く、それらをメンズとレディースという枠で分けずに1〜5の5サイズで展開している点です。
ルーズに着こなしたいという女性は大きめのサイズを選べますし、細めの男性でピッタリのサイズを求めている場合は小さいサイズがありますから、それぞれの好みに合うサイズが見つかるはずです。
ブランドのウェブサイトには、「自分たちが着ていて、心地良い物を作りたいという気持ちから始まりました。」と記載されていますが、正に着る人に寄り添った、珠玉のニットブランドと呼ぶに相応しいブランドです。
ユニセックスに着用できるセーターが豊富、中でもダブルフェイスがオススメ
SLOANEは日本のブランドであることは既に述べましたが、製品も全てメイド・イン・ジャパンです。これについても、「細かいニュアンスを、作り手に直接伝えられるだけで完成度が違うと考えて、スローンは日本で生産されています。」とウェブサイト上に書かれています。
製造国が全てというわけでは無いですが、こういう背景を知ると、さらに好感が持てますね。
では、具体的にどのようなアイテムがあるのでしょう。上述したように、SLOANEはユニセックスのアイテムが多く、春夏、秋冬共にセーター類がメインに展開されている印象が強いです。
秋冬はウールやカシミヤ素材を中心に、3ゲージ(ゲージとは簡単に言うと編み目の細かさを表す単位で、数字が低いほど粗く、高いほど細かくなります)、5ゲージくらいのローゲージの物から超ハイゲージの30ゲージの物まで幅広いバリエーションが揃います。
個人的に特にオススメなのが、最初のシーズンからある12ゲージのダブルフェイスのアイテムです。クルーネックとタートルネックがあり、筆者はタートルネックを購入しました(写真上)。
タートルネックは秋冬シーズンのみですが、クルーネックは春夏ではコットン、秋冬ではウールと、素材を変え両シーズン展開されています。
ダブルフェイスとは二層になっている素材の事(ニットの場合は二重編み)ですが、このニットでは表面はウールの柔らかい風合いを保つ一方、裏側にポリエステルを使用する事でハリが出て、立体感を創出しています。また、ラグランスリーブのような切り替えのデザインも斬新です。
この他、レディース用のアイテムとしてスカートやワンピースもあり、春夏ではコットンやシルク素材を中心に、ショートスリーブのニットポロやTシャツなども展開されています。
直営店、オンラインストアの他、全国のセレクトショップ等で取り扱い
現在は東急線の自由が丘駅から徒歩数分のところに直営店(写真下)があるほか、全国の百貨店やセレクトショップで取り扱いがあります。
東京だと、伊勢丹新宿やInternational Gallery BEAMS (インターナショナル ギャラリー ビームス) 原宿、UNITED ARROWS (ユナイテッドアローズ) 原宿本店、銀座店、新宿店といった高感度セレクトショップですね。
また、SLOANEのウェブサイト上にもオンラインストアがあります。
因みに直営店とオンラインストアでは毎シーズン、セール→more セール→ファイナル セールと三段階でセールが進行します。
人気商品はセール前に全て売れてしまう事もあり、ファイナルセールの頃には多くの商品が売り切れとなっているイメージがあるので、本当に気に入ったアイテムはセール前に購入するのが良いかもしれません。
2018年秋冬物のセールは年明け2019年初旬に始まりましたが、三日目くらいまでアクセスが集中してページが表示されにくい状態が続いていました。人気の高さが伺えますね。
定番となっているアイテムの中には、カラーによってセールになる物とそうでない物があったりするので、「セール時期まで待ったのに値下げしない」なんて事になる可能性もあります。
筆者は先にご紹介したタートルネックのニットを最初のシーズンから目を付け、セールになるのを心待ちにしておりましたが、結局2年後に定価で購入しました(笑)。
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