コロナ禍で多くのアパレルショップの客足が減少し、店舗の閉鎖が増える反面、世界的にEコマースは活況を呈しています。
これは、高価格の商品を取り扱うラグジュアリーというカテゴリーにおいても例外ではなく、ベイン・アンド・カンパニーのレポートによれば、2020年はラグジュアリー市場におけるオンラインチャネルの占める割合が23%まで増加しました(2019年は12%)。
市場規模としては、およそ6兆円強で、2025年にはオンラインがラグジュアリー製品を購入する主要なチャネルになると予測されています。
ファッションECと言えば、日本ではZOZOTOWNが非常に有名で、実際に利用されている人も多いと思いますが、最近では、海外のファッションECを利用する人も増えてきています。
海外のECサイトには日本未発売の商品が購入できるといったメリットもあり、配送も早いところでは3日くらいで到着するので、利用者は今後もさらに増えていくことが想定されます。
そこで、この記事では、規模が大きく知名度の高い海外のラグジュアリーファッションECについて、特徴などを解説します。
1. FARFETCH(ファーフェッチ)
英国に本社を置くFARFETCH社が運営する、社名と同じラグジュアリーファッションECサイト「FARFETCH(ファーフェッチ)」。ブランド、セレクトショップ、百貨店が出店するマーケットプレイスで、取り扱いブランド数、商品数が圧倒的に多く、個人的に最もおすすめのラグジュアリーファッションECです。
FARFETCH社は、「OFF-WHITE(オフホワイト)」など人気ブランドを多数抱えるNew Guards Group(ニューガーズグループ)を傘下に収めていて、FARFETCH(マーケットプレイス)では、これらのブランドの限定商品の展開や、コレクションの先行販売も行っています。
また、中古品の取り扱いもあり、中古品に限っては、HERMES、CHANEL、Louis Vuittonといった超高級ブランドの商品もあります。
商品は出店しているブランドやショップから、直接発送されます。日本支社も構えているため、日本語でのカスタマーサービスも受けられ、もし返品をすることになっても安心です。
FARFETCHに関しては、こちらの記事で、さらに詳しく解説しています。
2. Matchesfashion(マッチズファッション)
実店舗も展開する英国のリテーラー「Matchesfashion(マッチズファッション)」のECサイト。リテーラーとは小売業者のことで、セレクトショップをイメージしてもらえれば分かりやすいかと思います。
日本での知名度は、そこまで高く無いかもしれませんが、PRADA(プラダ)やGUCCI(グッチ)といった人気のハイブランドをはじめ、650以上のブランドを取り扱っていて、規模は十分です。メンズのラグジュアリーブランド「Berluti(ベルルッティ)」の取り扱いがある、数少ないECサイトの一つです。
また、新進デザイナーに焦点を当てた「INNOVATORS」というコーナーも設けられていて、日本ではまだ取り扱われていない才能ある若手ブランドの商品にも出会えます。
商品ページ全てに動画があり、写真の枚数も多く、見やすくて使いやすいと評判です。
3. SSENSE(エッセンス)
カナダ、モントリオールに拠点を置くリテーラー「SSENSE(エッセンス)」。500以上のブランド、4万点以上の商品を取り扱っています。
サイトはエディトリアルが充実している印象が強く、デザイナーやアーティストの取材記事などを多く見かけます。
商品ページでは、各アイテムの仕上がり寸法の表記があり、サイズを正確に把握できます。
また、「価格調整」と「最安値保証」というポリシーを導入していて、前者は購入した商品が14日以内に値下げ、セールになった場合、同じ商品がサイト上で購入可能であれば差額の返金に応じ、後者は他のオンラインストアで、ある商品がより低価格で販売されている場合(セール品は除き、送料や関税を含む最終合計額が低い場合)、同価格で購入可能になるシステムです(諸条件あり、詳しくはサイトを参照)。
4. YOOX(ユークス)
イタリア、ミラノに本社を置くYOOX社が運営する、ハイブランドに特化したアウトレットECサイト「YOOX(ユークス)」。
ハイブランドの商品を低価格で購入することができるのが魅力で、時期によっては80%OFFになる商品もあります。ただ、アウトレットなので、他サイトに比べ、鮮度やデザインがイマイチな商品が多い印象。個人的には、掘り出し物を探し当てる感覚で利用することが多いサイトです。
5. Net-a-Porter(ネッタポルテ)
英国に拠点を置くNet-a-Porter社が運営する、レディースに特化したラグジュアリーファッションEC「Net-a-Porter(ネッタポルテ)」。取り扱いブランド数は800以上で、世界的に知名度も高いです。
サイトの日本語表示はできませんが、カスタマーサービスは日本語での対応も可能なようです。このNet-a-Porterのメンズ版として、「MR PORTER(ミスター ポーター)」というサイトが運営されています。
6. OUTNET(アウトネット)
同じくNet-a-Porter社が運営する、アウトレットECサイトです。「Net-a-Porter」の姉妹サイトという立ち位置で、こちらもレディースに特化しています。
セレクトブランドに加え、オリジナルブランドの「IRIS & INK(アイリス & インク)」も展開しています。
<各サイト比較表>
最後に、各サイトの比較表を簡単にまとめてみました。
FARFETCHとYOOXは、LOUIS VUITTON(ルイ ヴィトン)、HERMES(エルメス)、CHANEL(シャネル)などの超高級ブランドを除けば、Berluti以外ほぼ全てのラグジュアリーブランドの取り扱いがあることが分かります。
また、どのサイトも日本語でカスタマーサービスが受けられるので、日本からも安心して利用できますね。
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